「セックスレスは夫婦の危機」──そんな言葉に、違和感を覚えたことはありませんか?
セックスがない=不仲とは限らない。
でも、仲はいいのに、どこかモヤモヤする…。
本記事では、実際に“仲は良いけれど性の不一致に悩んだ”経験をもとに、セックスレスの定義・実態・そして「仲はいいけれど、何かが足りない」気持ちと向き合うヒントを綴ります。
目次
セックスレスとは?定義と日本の実態【調査データあり】
そもそも、「セックスレス」とはどんな状態を指すのでしょうか?
一般的には、「1ヶ月以上性交渉がない状態がセックスレス」と定義されることが多く、日本性科学会もこの定義を採用しています。
実際に、日本家族計画協会が2022年に行った調査によれば、既婚者のうち47.2%が「セックスレスである」と回答しています。
つまり──
「セックスレスだけど仲がいい」状態の夫婦は、決して少数派ではないのです。
セックスがない夫婦はおかしい?よくある誤解と本音
インターネット上ではよく見かける、
「愛があればセックスできるでしょ?」
「セックスがないなんて、もう夫婦じゃないよ」
「浮気されても文句言えないよね」
このような“正論”に、心がザワついたことはありませんか?
私自身も、「夫婦なんだから当たり前」と言われるたびに、“当たり前じゃない自分たち”が否定されたようで、そっとスマホを閉じたことが私は何度もありました。
セックスレス=夫婦仲が悪いは誤解?関係性の真実とは
「セックスをしていない=仲が悪い」というわけではありません。
実際、私たち夫婦はよく笑い合い、旅行も一緒に行き、ご飯を作っては感想を言い合う日々を過ごしています。
周りからも「いろは夫婦って本当に仲が良くて羨ましい」と言われるほどです。
だからこそ「性的な関係がないから愛がない」と決めつけられている世の中に違和感を覚えていたのです。
たしかに、恋人時代のような情熱は減ったかもしれません。
でも、穏やかで深い信頼や心地よい距離感を築いている自覚もあります。
愛情はあるのにセックスしない理由とは?
では、なぜセックスレスになるのでしょうか?
理由は本当に人それぞれですが、よくある要因はこんなものです。
- 仕事や育児で時間も体力もなくなる
- 性欲の波や価値観の違い
- 年齢や体調による性欲の変化
- 精神的な距離感が関係していることも
私たちの場合も、“愛していない”わけではなく、“求めるテンポや意味合いが違った”だけなのだと思います。
参考:NIKKEI STYLE|セックスレスの背景と夫婦の在り方
セックスレスの悩みは打ち明けづらい──孤独と葛藤
セックスに対するモヤモヤは、なかなか口にできません。
そんなふうに思われるのが怖くて、友達にも家族にも、もちろん夫にも、本音を話すことができませんでした。
セックスレスは、“恥ずかしいこと”や“欠陥”のように感じやすい悩みでもあります。
だからこそ、抱え込んでしまう人が多いのではないでしょうか。
セックスレスでも仲良しな夫婦は実在する

最近では、セックスレスのまま良好な関係を築いている夫婦の存在も少しずつ知られるようになりました。
パートナーとの性の形は、多様であっていい。
性の頻度やあり方で“正しさ”を測るのではなく、お互いが心地よいと思える形を選べたら、それがその夫婦の“答え”だと思います。
セックスレスに正解はない──大切なのは2人の心地よさ
「セックスレスだけど仲がいい」
それが“普通かどうか”を決めるのは、他人ではありません。
大事なのは、ふたりがどう感じているか。
どんな距離感が、安心できるのか。
どんな愛の形が、自分たちにとって心地よいのか。
もし、誰にも言えないモヤモヤを抱えているなら、
「レスだけど仲がいい」夫婦も、たしかにここにいるよ──
そんな声が、あなたの気持ちを少しでも軽くできますように。